相続した空き家、放置するとどうなる?売る・壊す・使うの選択肢
国土交通省・法務省・裁判所・自治体の公開情報(2026年9月時点)をもとに整理しています。個別の法的助言・価格の判断ではなく、制度の紹介と相談先の案内です。
親から相続した実家に誰も住んでいない。遠方で管理に行けない。固定資産税だけ払い続けている——。空き家は「そのうち考える」と後回しにしやすい問題ですが、2023年12月の改正空家法と2024年4月の相続登記義務化で、放置した場合の不利益が制度として明確になりました。
このサイトでは、国土交通省・法務省・裁判所・自治体の公開情報をもとに、放置した場合に何が起きるかと、売却・解体・活用のそれぞれの選択肢、そして相談先を整理しました。
再建築不可・事故物件・共有持分など、一般の仲介で断られやすい物件も査定対象と公式サイトに記載があります
ほかの相談先:ラクウル 空き家・中古戸建て買取/成仏不動産(事故物件・訳あり物件の買取)/おやとこ(家族信託の相談)
放置すると起きること(制度上の不利益)
- 管理不全空家として勧告されると固定資産税の軽減がなくなる。改正空家法(令和5年12月13日施行)で「管理不全空家等」が新設され、勧告を受けた土地は「住宅用地特例」が解除され、固定資産税・都市計画税の軽減措置が受けられなくなります(国土交通省・越谷市の案内)。
- 相続登記をしないと過料の対象になる。相続登記の義務化は令和6年4月1日に始まり、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の登記が必要です。正当な理由なく怠ると「10万円以下の過料が科される可能性」があります(法務省Q&A)。
- 特定空家になると命令・代執行の対象になる。倒壊のおそれなどがある「特定空家等」には、指導・勧告・命令・行政代執行の措置が段階的に取られます。
選択肢1:売る
通常の仲介で売れる状態なら不動産会社への相談が基本です。一方、再建築不可、共有持分、借地権、旧耐震、事故物件など「訳あり」の場合、仲介では買い手がつきにくく、買取専門の事業者に査定を依頼する選択肢があります。ラクウルの公式サイトでは、事故物件・再建築不可・共有持分・違反建築・旧耐震・借地権などを対象に「査定は無料で行わせていただきます(一部、対象外あり)」とされ、47都道府県に対応と記載されています。
選択肢2:壊す
老朽化した空き家には、自治体が解体費用を補助する制度があります。たとえば宇都宮市の「老朽危険空き家除却費補助金」は、除却費用の3分の2(上限70万円)で、昭和56年5月31日以前の建築などが要件、着工前の申請が必須とされています。制度の有無・金額・要件は自治体ごとに異なります。
選択肢3:使う・貸す
多くの自治体が「空き家バンク」を設け、移住希望者などとのマッチングを行っています。改正空家法では、市区町村が「空家等活用促進区域」を定めたり、「空家等管理活用支援法人」を指定したりできる仕組みも設けられました。
親が元気なうちに考えること
所有者本人が認知症などで判断能力を欠く状態になると、家の売却には成年後見制度の利用が必要になり、居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要です(裁判所の案内)。「まだ大丈夫」なうちに家族で話し合い、必要なら家族信託などの対策を専門家に相談するのが、後で選択肢を狭めないための考え方です。
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よくある質問
空き家を放置すると固定資産税が上がるというのは本当ですか?
改正空家法(令和5年12月13日施行)により、管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けた土地は住宅用地特例が解除され、固定資産税・都市計画税の軽減措置が受けられなくなります。軽減がなくなる分、税負担が増えることになります。
相続登記はいつまでにしないといけませんか?
法務省のQ&Aでは、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内とされています。令和6年4月1日より前に相続した未登記の不動産は、令和9年3月31日までに登記が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の可能性があります。
再建築不可や事故物件でも売れますか?
一般の仲介では難しい場合でも、訳あり物件の買取を専門とする事業者があります。ラクウルの公式サイトでは、再建築不可・共有持分・借地権・事故物件などを対象に無料査定(一部対象外あり)と記載されています。
解体費用の補助金はありますか?
自治体によっては老朽危険空き家の除却費補助があります。宇都宮市の例では除却費の3分の2・上限70万円で、着工前の申請が必須です。制度の有無と条件は自治体ごとに異なるため、市区町村の空き家担当窓口での確認が必要です。
親が認知症になったら実家は売れなくなりますか?
本人の判断能力が欠ける状態になると、成年後見制度を利用したうえで、居住用不動産の処分については家庭裁判所の許可が必要になります(裁判所の案内)。事前の対策として家族信託などがあり、専門家への相談が前提になります。
再建築不可・事故物件・共有持分など、一般の仲介で断られやすい物件も査定対象と公式サイトに記載があります